令和4年度JAPANブランド育成支援等事業(キルギス共和国)報告

令和4年度JAPANブランド育成支援等事業費補助金補助事業に、RTICは4社合同(株式会社Sansei、株式会社ITE、株式会社RaPID)で事業採択され、キルギス共和国で実施した移動型CTコンテナを利用したCT検査の普及と遠隔画像診断の実証プロジェクトについて概要報告いたします。

「CTコンテナ車による医療普及展開と遠隔画像診断ビジネス実証」

RTICの本プロジェクトでの主たる担当は教育で、2023年1月にRTICと株式会社Sanseiはキルギス国立循環器・内科センターとMOUを締結しました。

実証実施までの経緯

CTコンテナの移送は、タジキスタンからの予定でしたが、2022年9月にタジキスタン・キルギス国境において、両国の国境警備隊の間に衝突があり、その後両国の関係性は悪化し、両国間での輸出入は一切禁止となっていました。よって、タジキスタンからウズベキスタンに輸出し、さらにウズベキスタンからキルギスに輸出する2段階方式を取り、大幅にスケジュールがずれて、経済産業省に実施期間延長申請し、2023年08月31日までとなりました。

実証実施までの準備

2022年6月、キルギス国立循環器・内科センター(NCCIM)敷地内のCTコンテナが設置され準備を開始しました。CTを動作させる発電機の燃料500リットルを給油しスタンバイしました。

そして、CTコンテナ内清掃(NCCIM管理課)からCT装置セットアップ、Scanテスト、PACS転送テスト、CTコンテナ内PACSサーバー・講義室内PC端末、LAN接続テスト、WAN接続テストを経て講義室内PC端末の動作確認、講義室内Wi-fiテスト、講義室内PC ZOOM接続テストなどを経て、CTコンテナ装備品全品目型番・シリアル番号確認後に引渡しました。

オープニングセレモニー

2023年6月19日に実施されたオープニングセレモニーでは、キルギスのテレビ局などが取材に来るなか、Talaibek Masabirov 議員(キルギス共和国 国会議員)、合田秀樹 特命全権大使(在キルギス日本国大使館)、 (大臣代理)バクビシェノビッチ 次官(キルギス共和国 保健省)、RTICの松原馨 代表理事、Rysbek Moldogaziev 先生(キルギス日本ビジネス協議会会長・元大使)、Talant M Sooronbaev 理事長(キルギス国立循環器・内科センター)らが挨拶をし、ニュース番組としても報道され話題となりました。

また、コンテナの見学には報道機関、関係者含め100名近くの方が見学されました。

教育カリキュラム第1日目

2023年6月19日、教育カリキュラム第1日目は、教育カリキュラム受講者ミーティングとオリエンテーションを経て、教育レクチャー「CTコンテナの特徴」、「CT検査の放射線被ばく」「CT画像のアーチファクト」、「CT値とウィンドウ機能」などを実施しました。

教育カリキュラム第2日目

2023年6月20日、教育カリキュラム第2日目では、教育OJT「患者体調チェック、CT撮影の実践」を 1班7名ずつに分け、第1班から撮影実践し、次の班に交代して実施しました。
撮影を終えた班は、教育OJT「 PACS操作、画像読影、MPR/3D作成」を講義室のPACS端末PCで画像処理の実習をしました。

CT撮影患者数:16名(16部位/頭部2, 頸部1, 胸部2, 腹部10, 脚0, 全身1)

教育カリキュラム第3日目

2023年6月21日、教育カリキュラム第3日目は、教育OJT「患者体調チェック、CT撮影の実践」を 1班7名ずつに分け、第1班から撮影実践 し1時間毎交代で、撮影を終えた班は、教育OJT「 PACS操作、画像読影、MPR/3D作成」を 講義室のPACS端末PCで画像処理の実習。
教育リモート講義「日本の放射線科医」では、RTICの理事を務める、小川 健二理事が画面上に登壇し実践的な講義を行いました。

CT撮影患者数:14名(14部位/頭部3, 頸部0, 胸部0, 腹部2, 脚2, 全身7)

教育カリキュラム第4日目

2023年6月22日の教育カリキュラム第4日目は、教育OJT「患者体調チェック、CT撮影の実践」同様に 1班7名ずつに分け、第1班から撮影実践し、1時間毎交代。撮影を終えた班は、教育OJT「 PACS操作、画像読影、MPR/3D作成」を講義室のPACS端末PCで画像処理の実習しました。

CT撮影患者数:25名(25部位/頭部8, 頸部0, 胸部2, 腹部9, 脚0, 全身6)

教育カリキュラム第5日目〜修講証書授与式

2023年6月23日、教育カリキュラム第5日目は、教育OJT「患者体調チェック、CT撮影の実践」を同様に1班7名ずつに分け、第1班から1時間毎交代に撮影実践しました。教育リモート講義「造影CT検査の基礎」では順天堂大の木暮陽介先生に登壇いただきました。

CT撮影患者数:21名(22部位/頭部9, 頸部2, 胸部1, 腹部5, 脚2, 全身3)

同日、修講式を行い、修講証書の授与をしました。

キルギス国立循環器・内科センターでの教育カリキュラム修了証明書を発行しました。

全CT撮影患者数:76名(77部位/頭部22, 頸部3, 胸部5, 腹部26, 脚4, 全身17)

プロジェクトの評価は非常に良く、キルギスの保健省、政府関係者、実施施設の幹部、受講医師からはCTコンテナの有効性が広く認識され、教育・研修内容も大変高評価を得ました。